塾長挨拶 (H18/2006年度) 38期
暖冬から花寒の季節。季節は思いがけない変化をしながら確実に春へと歩みを進めています。
さて、平成18年度の結果を右欄にお知らせします。 今年度は長い年月をともに過ごした生徒が多く、それだけに本音をぶつけ合う日々の連続でした。楽しく塾に来ていた子達が、受験する覚悟に至るまでの葛藤に付き合い、英文が読めない、数学ができないと泣きわめく子供たちとお茶を飲みながらなだめ、励まし、たんたんとマイペースで努力する子に横目で合図しながら、時には己を忘れるほど勝手に木に登ってしまった子供をどやし、いさめ、脅し、足を地にへばりつかせる勢いも必要でした。その中で、自発的にグループを構成して互いにペナルティーを課しながら、切磋琢磨を重ねた子供たちは見事でした。 そうして順調に合格した子、脇本マジックと揶揄されている幸運な合格を勝ち取った子。いずれも祝福すべき合格者として名を連ねています。 この子達の合格の影で長い年月塾に通わせて下さり、側面から応援して下さった御両親に心から感謝をいたしております。
第三の親として、この子達のx年後に幸せで自立のできる人生への入り口にしたいと願い、妥協のない厳しい勉強もさせてきました。 「学問に王道はない」といい続け、基礎知識を身につけよう!手を抜かずに!気持ちを込めて!と前から引っ張り、後ろから押し続け、共に歩んだこの一年は、深い感慨をもって次年度に襷を渡すところです。この子達が将来、社会の中で役に立つ人間となり、楽しく心豊かな人生を送れるように祈ってやみません。
さて、「知識は熟成する」ということがあります。 「理解できないものはやらなくてよい」とか「説明のつかないものは理解しなくてよい」等々、耳にします。しかし理解できなくても耳に残る言葉や、理解できないけれども、とにかく覚えろと言われ覚えさせられたことが、時空を超えて、霧が晴れたように、全て深く吸収されて自分の一部になりきってしまいます。これは子供の成長と相まって、顕著な伸びにつながります。 今、役に立つことを学ぶだけが勉強ではない、必要な無駄もあると欲張りの真骨頂を極めるつもりで今後も絶対必要な基本と、将来につながるであろう広がりのきっかけとなる必要な無駄を両輪として進んでいくつもりです。
塾年度はすでに、平成19年度。 この塾生達の将来にかけた一年を大切に過ごして、次年度も笑ってこの会が開催できるようにスタッフ一同努力して参ります。そしてまた、今年も甘やかさずに、丁寧に大事に能力を引き出し磨いていきたいと思っております。 何卒ご理解の上、ご協力をいただけますようお願い申し上げます。
2007年3月10日 脇本