塾長挨拶 (H19/2007年度) 39期
梅の花につづき桜の開花予想が聞かれる春となりました。 さてこの度当塾は40回生を送り出します。今年度は浪人の20歳から小4の9歳まで広い年齢層の生徒が同じ教室で学びました。常に横社会の中の子供たちは小さなコミュニティの中で年齢差のもつ歴然たる違いを意識し、認めあうという好ましい関係が築かれていきました。そうして互いに人間的にも成長して今般の結果につながったと思います。
今年度は夏合宿も復活し、実り多き夏休みに深みを加え内容を濃くしました。13日間同じ釜の飯を食べながら同じ空間で切磋琢磨し過ごしたことは、その後の授業の運営に円滑さにつながったとは合宿の報告で申し上げたとおりです。 さて、今回は合格パーティをなぜ行うのかについて少し述べてみます。この塾は一人一人に手と目と心をかけて授業を進めます。ずーっと問題演習ばかりと思うこともあるでしょうが問題をどんなふうにどのくらいの速さで、どれだけ正確に解くか、長文から得た情報をどのようにアウトプットできるか等の把握と対策のために時間をかけています。 一人一人と向き合う時間の多さは相互に交流する場がそれだけ多くなります。密度の濃い生活の連続です。そうして育て上げた子達が受験を終え吉報をもたらし共に喜ぶのも束の間、その先にはほぼ確実にこの子達との別れが待っています。何気なく、ただ嬉しくてやっていた合格パーティは近年、自分に対する喜びのけじめのつけ方なのだと思い至りました。育ち、巣立ちゆく子との別れを自分の中で納得して送り出すための会、それが合格パーティでした。
それと同時にこの幸せな瞬間を共有することによりさらに幸せが倍加すること これも合格を心から祝うことであり、人の幸せはこうして祝いたいという思いを伝えることがこの合格パーティにこめられています。 個の存在が強くなっている現在、個の去就が及ぼす影響の大きさを認識しながらも個も全体も育ってほしいと心から願っています。もちろん個なくして全体はありませんが共に育ち、共に幸せになることを目指している思いを伝え、KYなどいわずに全体を支える社会の礎になりたいと心から願っています。
塾は今年40周年を迎えました。5月17日に中野サンプラザにてお祝いの会を開くことになりました。そしてまたあらたな1ページをつくりあげていきますが基本姿勢は変わりません。信頼に身を任せることはどんなに暖かく心地よいものを知り、信頼し合える社会をつくろうよ と身をもって伝えて生きたいと思っています。
この1年も保護者の皆様の支えで今日を迎えられましたこと深く感謝しております。
2008年3月8日 脇本