塾長挨拶 (H28/2016年度) 48期 「時、徒然。」
気がつけば梅が咲き、春の日差しを感じる今日このごろです。やはり、”冬きたりなば春遠からじ”の感ありです。今年の受験は4月には危ぶまれる状態でしたがその後進歩が見られ、夏合宿を経て、もしかすると、もしかするとと期待を大きくする要素が見られるようになり、別紙の通り、各人が人生を大きく形どる基礎資質を作っていきました。喜ばしい限りです。
受験とは日々の学習を重ねながら自立への道を模索するようなものです。反抗期と重なるため、その子は家庭でも学校でも扱いにくいとして心配される存在であるかもしれません。しかしその時こそチャンス到来であり、将来への期待と希望の持てる対象として、私達は対峙します。そうしているうちに自分で考え、勉強し、力をつけていけるようになります。これがこの子の成長と自立です。幾度となくこれを見てきた私にはこの醍醐味は次にまた求めたくなるものです。
合間に共に食事をし、弾む会話の中に子供達の心を垣間見て、対策を立て、スタッフの協力を得て、見えない糸で引っ張る操作は当塾ならではのものと自負しております。だからこそ、この特別を利用しない手はないと、みんながうごいてくれたらいいと願うばかりです。
さて、今日は3月11日。6年前の今日、東日本大震災がありました。すぐに物資の協力をお願いし、ダンボール58個分の物資を持って半月後被災地をめぐりました。行った先はいずれも道もなく家もなく、川や田んぼにおびただしい瓦礫の山、家の屋根が折り重なって異様な光景でした。その時以来の梅干しの森さん、カキ・ホタテの村上さん、野菜の宮川さん、魚の平塚さん、磯屋さんとは、マルシェであったり、合宿であったり、通常の食事会であったりしますが、今もなお生活の変化に戸惑う被災の方のためにと皆様のご協力を頂きますこと感謝申し上げます。
さらに平成23年3月11日に被災し、家を失った気仙沼高校生の卒業までの支援にも携わり、その高校生たちが全員無事社会に巣立ちましたことも、感謝を込めてご報告申し上げます。育ちゆく子を見守るのは人生に希望が湧く思いです。これは子供達にも現実を見る機会を与えられたと今になって思います。
さあ、次年度が来ます。次年度も数少ない生徒を、育ちゆく子供達の学習面と精神面の支えをしながら、叱咤激励、見守りの日々が始まります。皆様にはどうかまた一年、そしてもう一年と期待を込めて応援や見守りがいただけますようにお願い申し上げます。
そして私は今年も与えた恩(与えなかったと言われるかもしれませんが)を水に流し、受けた恩は心の石に刻んで次年度に向かいます。
本日はありがとうございました。
2017年3月11日 脇本裕子