塾長挨拶 (H27/2015年度) 47期 「5年という年月」
気候の定まらぬ今年、それでも季節は巡り来て梅の花は芳香をかぐわせて咲き桜の蕾もふくらんで春本番が到来を知らせています。 そのさきがけとしての受験は寒さをはねのけ、インフルエンザにもめげず 個々のたゆまぬ努力とそれを後押しするスタッフの力と相まって結果を出し塾のお正月の合格パーティに華を添えてくれました。
思えば5年前の昨日東日本大震災がありました。合格パーティの合間にTVの画面をちらちら見ながらお祝いの会をしました。その後はご支援をいただきながら支援に携わりました。津波で家を失った気仙沼高校の学生たちを預かり、卒業からその後の進路にまで立ち合いましたがその子たちは今春大学を卒業します。 中には高校卒業と同時に県職員となり地域の復興を担う子もいました。 この子たちが被災し家を失った後の生活は筆舌に尽くしがたいものがあったはずです。 それに対して動ぜず、状況を受け入れて場を乗り切ってきた子たちには敬意を表します。 努力してその先に志をもち生きていってほしいと願うばかりです。
さて今年の当塾の生徒たちはそれぞれスタッフの叱咤激励を背中に希望を持って努力して自分の進路を切り開きました。自分を鍛えて磨くことは難しい時代に部活よりも厳しかったかもしれない塾での生活で得たものは必ずや大きな支えになると信じています。 年齢ばらばらの仲間との濃い生活、果てしない勉強、きっと一人ではなしえなかった多くのことを心の隅に置いて頑張り、楽しい充実した人生を歩みだしていってほしいと思っています。
5年前から今の自分に至るまでの道程を考えるきっかけとなることは皮肉なことですがこれまで5年にあったこと、そしてその年月の重さを考え、人生はそのつなぎ合わせであるからこそこれから自分で自分をどう育てていくかと楽しみに見守っていきます。 そして最後にみんなに言いたいことを確認します。
もう少し我慢しよう、もう少し志をもって前に出よう、もう少し大人のいうことを聴こう、もう少しまわりあっての自分だと考えよう。言葉には意味があるのだと認識しよう。
石の上にも三年という格言がありますがこの5年間を振り返りやはり大きな変化が特に子供たちにはあったはず、この変化を次に続け自分らしく生きるためにこの”もう少し”は役に立つはずです。そして5年後はそれぞれ20歳、23歳になりいろんな権利を手に入れます。その権利をどう使って生きるか自分の人生の見せどころです。 年を重ねてきた自分だから言えることですが次の5年には大きな意味があります。 時を無為に過ごさない、楽しくでも少し無理を承知の人生を引き受けて生きましょう。 こうして時を紡ぎ塾は来年で50周年を迎えます。5X10の年月です。それでもあっという間です。みんなの役に立ちたいと思う人生は過酷でも幸せであったと次のの5年にも言いいたいものです。
また来年の合格パーティにも笑って会えますように。 本日はありがとうございました。
2016年3月12日 脇本裕子