塾長挨拶 (H23/2011年度) 43期

塾長挨拶 (H23/2011年度) 43期「巣立ちゆく子達に」

 寒い寒い冬が名残惜しそうに残っています。咲く時期を逃した感じの梅の花の強い芳香が冬の居座りを許さぬようにお日様に味方をしているようです。 三寒四温も今年は殊のほか強く感じられます。北国育ちの自分にとっても近年にないこの寒さはこたえました。 しかしその寒さをものともせず、今年の受験も終わりました。生徒たちが最後の頑張りを見せて見事志望校に合格していったのです。明るい未来が開けやすいように努力の仕方も努力が作り上げるものも身につけて、いい友人も得て明るい春を迎えます。本当にうれしいです。
今年度は昨年度末に東日本大震災があり、故郷への思いを抱えて岩手と宮城に支援に回りながらの一年でしたのでより一層の思いを込めて仕上げました。 結果はかくのごとしでみんなが喜び集える事になりました。こうして今年も笑って合格パーティが開ける事は塾のスタッフ一同心より喜び、準備にも力を入れました。
例年の事ですが塾歴の長短により生じる微妙な力ろ意識の差があり、それを埋めてしまうことはなかなか難しいのです。今年はそれを埋めるのに合宿を3週間にしました。これはまた大変有効でそれに加えて暑さ知らずの夏で猛烈な勉強が出来、合宿後は例年のようにみんな仲良くなって事を進めやすくなりまし た。 合宿の力 恐るべし です。 こんな小さな私塾で子供たちの未来を楽しみにやってきてその子達が望み、親を含む周りの人たちに祝福を受けて人生を歩み出せる幸せな子達を毎年見ることが 出来て本当にこの仕事の醍醐味はここにありと思って本日も塾のスタッフ一同とともにこのうえない喜びの日として共にお祝いしたいと思います。
 いろいろな考えの方のそれぞれの御意見を承りながら、それでもこの子たちの将来を見据え、幸せに満足して生きられるように学校選択をして、合格して新しい人生を踏み出す子たちに心からの祝福と少々の注文をつけて送り出しましょう。
 それにつけても保護者の方々の協力あって今日はがあることは生ととともに肝に銘じて、また一歩を踏み出すつもりです。 ありがとうございました。
 さて、合格者の皆さん、 もうこの塾の仕事は終わりました。 これからは新しい自分と向き合い、考えて行動し、よき友を得て幅を広げて生きていきましょう。 この塾は寺子屋みたいでありながら、大手塾以上に優れた協力的な教師を揃え、精神的なバックアップもして来ました。私は勉強する後ろ姿を見て全てを判断し て声をかけ、時にはまともに向かい合い、厳しい言葉も出して鼓舞したり、一緒に食事やお茶をして励ましたり、精神的フォローもあったはずです。 でもこれからは一人で考え、判断して一人で頑張るのが基本です。困ったことがあったらお役に立ちたいという私の性癖はむくむく頭をもたげても、私は少し我慢してみんなを少し離れた所から見守りましょう。
 まずきちんと生きなさい。困ったことは自分を育てることです。乗り越える力は困ったことの繰り返しの中で育ちます。 スポーツはいいのですがそれだけではで根性は出来ません。そしてまっとうな大人を見て生きる目標を立ててみてください。去りゆく君たちはこのうえなくいろ いろな事を塾内でもしてくれて、何とも困ったと感じられることがありました。そうしてひとひとつ対処し、接していく中で私が得たものもたくさんあります。 その中で一番感じたことは君たち一人一人に携わる人は君たちの人生の大半を握っている事になり将来に対する責任があるのだから本気で困り、本気でこの子達 をなんとかしようということでした。だからずいぶん保護者会もし、家に伺ったこともあります。基本的に苦言は至言です。 でも結果を残した今、すべては喜びに変わり何もかもこの日のためやるべき事だったと思えるから不思議です。そして君たちは永遠の私の心の中の財産です。
巣立ちゆく子達に
 そしてそれ以上に君たちは親に感謝して学校に行きましょう。 今年気仙沼高校の子たちに会って君たちは何を感じましたか?被災地をめぐった後に作文を書いてくれたあの事は忘れないでください。  本日気仙沼から来る秀斗君、悠君のそして竜馬君のいつも変わらない姿勢を見て君たちは何を感じたか、もう一度思い出してこの塾を巣立っていってください。 学校に行けるありがたさ、普通に好きな事が出来るこの自由さ、これ以上ない愛情に包まれて普通に暮らせるこの気持ちの上の豊かさ、すべて彼らが失ったもの です。  反抗期だと言ってそれが当り前だと思わないで。好きなことをする自由はそれに見合う努力をして得られるものであることをもう一度認識して、変わらない自分、揺るがぬ自分を作っていけるか。今日たった今から考えてください。 これは私の財産の君たちが心豊かに生きるためにすべきことだから。
 何より私は教え子には極めて甘いのです。 そして本当に困った時には私は君たちのために全力を尽くして動きます。何より私は教え子には極めて甘いのです。君たちとはいい出会いであったと感謝して送り出します。
おめでとう。

2012年3月10日 脇本 裕子

 

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